ボカロPを副業にできるのか?

副業

この記事ではこれからボカロPを始める方に向けて実際に収益を得ることができるかについて解説したいと思います。

この記事はこんな人にオススメ

  • これからボカロPを始めたい人
  • ボカロPで収益を得られるのかを知りたい人

筆者の経歴

私は学生の頃から今に至るまで趣味としてDTMをやってます。
DTMとはデスクトップミュージックのことで、PCを作った音楽制作のことを言います。
その活動の一環でボカロPをやることもあります。(ボカロ曲を公開する)

最近、ボカロが話題になることは少ないですが、未だに熱狂的なファンは多く、一部のボカロPは稼げているイメージがあります。

そんな私もボカロPデビューして一攫千金を夢見た時がありました。

当然のことながら副業に結びつけることはできなかったので、ボカロPの難しさについて解説したいと思います。

ボカロPとは?

ボカロP(ボカロピー、ボーカロイド・プロデューサー)は、VOCALOID(ボーカロイド)、UTAUCeVIO(チェビオ)などの音声合成ソフトで楽曲(ボカロ曲)を制作して動画投稿サイトへ投稿する音楽家を指す名称である。

wikipediaより

ボカロとはYAMAHAが開発した音声合成ソフトのVOCALOIDの略称ですが、ボカロPはVOCALOID以外のソフトを使っている人も含まれるようです。

最近の音声合成ソフトでは人との区別がつかないくらいリアルな声を生成できますが、ボカロ曲を聴く人はリアルさは求めない傾向にあります。

息継ぎや音域を無視してもボカロは歌ってくれるので、普通の人間では歌えない奇抜な楽曲が多いのも人気の理由の一つと言えるでしょう。

筆者は歌が音痴なので、代わりに歌ってもらいとの感覚で音声合成ソフトは使っていました。リアル路線ではSynthesizer Vというソフトが個人的にオススメでよく使ってます。

  • ボカロPは音声合成ソフトを使って曲を投稿する音楽家
  • VOCALOID以外の音声合成ソフトを使っている人もボカロPと呼んでいる
  • 音声合成ソフトを使って作られた楽曲をボカロ曲と呼ぶことが多い





ボカロPを始めるために必要なもの

ボカロPを始めたい人が必要なものについて解説します。(音楽の知識もある程度必要となりますが、それについてはここでは割愛します。)

予算は10万~20万くらいが目安です。

PC

ボカロ曲を作るためにPCは必須アイテムです。あまりにもスペックが低すぎるとキツイので10万円以上のものを選ぶといいでしょう。 Windows / Macどっちでも大丈夫ですが、フリーソフトはWindowsの方が充実しているので、ソフトにできるだけお金をかけたくない場合はWindowsが無難です。

2023年現在ではGPUを使った処理をすることはほぼないので、CPU・メモリのスペックを優先的に選ぶといいです。厳密に必要スペックを知りたい人は後述する音声合成ソフト・DAWソフトが推奨するスペックをチェックするといいです。

音声合成ソフト

音声合成ソフトには無料のものも沢山あるので、まずは無料のものから試してみるといいでしょう。

無料で使える音声合成ソフト

  • Neutrino
  • VoiSona
  • UTAU windowsのみ
  • Synthesizer V Studio Basic オススメ

色々と選択肢はありますが、個人的にはSynthesizer Vがオススメです。

無料ソフトは有料ソフトに比べ、「編集がしにくい」、「音が悪い」、「収益の制限」などのデメリットがありますが、まずは無料から試して自分にあったものを探していくのがいいと思います。

Synthesizer Vが気に入った場合は有料版もあるので、試してみるといいでしょう。

音声合成ソフトには編集ソフトと歌声ライブラリを両方買わないといけないものもあるので注意です。それらの仕様は理解した上で購入しましょう。

有料ソフトを購入する際に迷った場合、下記の動画を参考にするのをオススメします。




DAWソフト

DAW(ディーエーダブリュー、ダウ)とは“Digital Audio Workstation”の略で、MIDI打ち込みやオーディオ・ファイルを用いて音楽制作するソフトウェアのこと。

https://www.snrec.jp/entry/beginners/music_production_daw#:~:text=DAW%EF%BC%88%E3%83%87%E3%82%A3%E3%83%BC%E3%82%A8%E3%83%BC%E3%83%80%E3%83%96%E3%83%AA%E3%83%A5%E3%83%BC%E3%80%81%E3%83%80%E3%82%A6,%E3%81%82%E3%82%89%E3%82%86%E3%82%8B%E4%BD%9C%E6%A5%AD%E3%81%8C%E8%A1%8C%E3%81%88%E3%81%BE%E3%81%99%E3%80%82

DAWソフトは楽曲を制作するためのソフトです。

ボーカル以外の伴奏を打ち込み、ミックス、マスタリングを行うために使います。

無料のものもありますが、機能的にかなり厳しいため有料のものを買うことをオススメします。
Macなら高機能でリーズナブルなLogicというソフトがオススメです。

Windowsの場合、日本で人気なのはCubaseかStudio Oneなのでそれらがオススメです。
※Cubase , Studio OneはMac版もありますが、Logicに比べると割高

DAW選びは↓の動画が参考になります。

その他あると良いもの

  • オーディオIF (楽器や歌の録音する場合必須)
  • MIDIキーボード (ピアノが弾ける人はあった方が圧倒的に打ち込みが早くなる)

上記は必須ではありませんが持っているとかなり便利です。興味がある方は調べてみてください。

ボカロPを始めるために必要なもの

  • PC
  • 音声合成ソフト
  • DAWソフト
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ボカロPは儲かるのか?

そもそもボカロPは儲かるのか考えてみました。

ボカロの有名曲

  • 千本桜(黒うさP)
  • 酔いどれ知らず(Kanaria)
  • 強風オールバック(Yukopi)
  • シャルル(バルーン)
  • マトリョシカ(ハチ)
  • ロキ(みきとP)

上記記載の楽曲はYouTubeの本家PVで2000万~7000万再生を記録しています。

あくまでも本家のPVだけの再生なのでカバーや踊ってみたなどのコンテンツで2次利用なども沢山されており、コンテンツのトータル再生は億を超えていると思われます。

ちなみにマトリョシカのハチさんは皆さんご存じの米津玄師です。

ボカロP出身で紅白出場や宮崎駿映画の主題歌を歌うなどを考えると、すごく夢があると思います。

上記の中でも特筆すべきは強風オールバックのYukopiさんです。
2023年の現在、ボカロPも下火だと思っていましたが、まさかの超バズったのが「強風オールバック」です。(現在6800万再生)

この曲は日清のカップヌードルのコラボCMもあり界隈では話題になりました。

音楽は他のコンテンツと違い、著作権による印税で収入が入るためトップの人たちはかなり儲かっていると推測されます。(おそらくサラリーマンの生涯収入の数倍は稼いでるんではないか?)

  • カラオケ印税
  • 音楽配信印税
  • YouTubeの広告収益
  • カバーによる印税

プロのミュージシャンはレコード会社に所属しているため、印税をかなり中抜きされるらしいですが、ボカロPは著作権管理をうまくやっていればプロよりも稼げる可能性がありそう。

  • トップのボカロPは一生遊んで暮らせるレベルで稼いでいる(多分)
  • ボカロP出身の人の曲が宮崎駿の映画に使われた実績あり



ボカロPは副業にオススメか?

前置きが長かったですが、本題に入ります。

結論から言うと副業にはオススメしません!!!!

何故かというと以下の理由があります。

  • プロミュージシャン、音大出身者、芸能人にもボカロPがいる
  • 楽曲が良いだけではバズらない
  • 金や労力をかけないと認知してもらえない
  • トップが儲かる代わりにそれ以下はほぼ食っていけない

プロミュージシャン、音大出身者、芸能人にもボカロPがいる

昔は曲を1曲作るのは凄くお金がかかりました。レコーディングスタジオを借りたり、演奏する人を雇ったりミックスやマスタリングをしたりCD作ったりで

そんなわけで一般人が簡単に楽曲をリリースすることはできませんでした。

ですが、昨今ではレコーディングせずともPC内のソフトだけでオケを作ることはできますし、曲を公開するならYouTubeで無料で配信できます。

誰でも手軽にできるということは、もちろんプロも仕事がない時はボカロPとして活動している人もいるはずです。

また意外ですが芸能人にもボカロPが実はいます。霜降り明星の粗品さんが楽曲をYouTubeで公開しています。
芸能人であれば知名度が抜群なので、それだけでかなりのアドバンテージになります。

そういった人たちの曲よりも自分の曲が注目を浴びるのはかなりハードであることが分かると思います。

↓粗品氏の楽曲

簡単に曲が配信できるご時世だから、ライバルも多い

楽曲が良いだけではバズらない

どんなに良い曲を作ったところで、その曲が売れるかといったらそうではないです。

例えば昔のCDセールスランキングなどを見ると、ドラマやCMのタイアップや大手事務所が売り出したいアーティストを全面的に広告を打ったことで売れているのが大半です。

虎舞竜のロードやモンゴル800のようなインディーズで売れる場合がごく稀にありましたが、基本的には売るためには莫大な広告費をかけています。

余談ですが、紅白歌合戦のギャラがあり得ないくらい安いのに出演したい人が多かったのは広告になるからだそうです。(今は紅白の人気は地に落ちてますが)

もちろん売れている曲はどれも素晴らしい楽曲と思いますが、売るためのきっかけがないとどうにもなりません。

なので、どんなにいい曲であってもただYouTubeなどにアップするだけでは誰も聴いてくれません。

ではどうするか?

多くのボカロPは話題性を集めるためにPV制作に力を入れています。

一時期あるボカロPのこんなTweetが話題になりました。

ボカロP
ボカロP

正直言って、俺は曲を作って投稿してみんなに聴いて欲しいだけなのに、イラストとか動画とかでお金がかかりすぎだろっていつも思ってる…

イラストや動画編集を頑張らないと、見向きもしてもらえないという現実を物語っていると思います。

つまりバズらせるには楽曲制作以外も頑張らないとどうにもならないということです。

お金かけてPVを頑張っても1万再生もいかないことなんて普通なので、黒字化するのは超困難な道のりと言えます。

↓こんなにクオリティ高いのに再生数は4.3万(2023/10/8現在) かなり厳しい!!!

動画やイラストも頑張らないと再生してもらえない

頑張っても再生してもらえないのが普通



トップが儲かる代わりにそれ以下はほぼ食っていけない

Vocaloid Databaseというサイトに登録されているアーティスト数(イラスト・動画クリエイターは除く)を見てみると2023年10月現在で約4万人でした。
このデータベースでは全ボカロPが漏れなく登録されているわけではないので、潜在的にはもっといることになります。

音楽のようなエンターテイメントの世界はトップ層が収益をほぼ持っていく構造なので、かなり厳しい世界です。


これはざっくりな試算ですが、ボカロPで食っていけるのは下記のイメージになるのではないでしょうか?

  • 印税で大金を得るレベルは10000人に1人程度
  • 一時的な印税などで数年は食っていけるレベルが1000人に1人
  • 投資金額(制作機材・ソフト・イラスト動画制作費)を回収できる人が100人に1人(もっと少ないかも)
  • 99.9%は食っていけない

東京大学の入学者数は毎年3000人程度です。近年では60万人くらいが大学に進学しているようなので200人に1人が東大に進学している計算になります。

つまりボカロPで食っていくのは東大進学するよりも難しいという計算になります。

ボカロPで生計を立てていくのは無理ゲーと言えるでしょう。

ボカロPで食っていくのは東大進学よりも難しい



まとめ

以下の理由によりボカロPを副業にするのはオススメしません。

  • 実力だけでは成功できない
  • 費用がそこそこかかる
  • 投資費用を回収するだけでも高難易度

コスパ1.5初期投資10万~ ,その他動画制作費用など
手軽さ2.0プロクオリティに曲を仕上げるのは結構労力が必要
収益の得やすさ1.0上位層以外はほぼ収益を得られない
5.0当たれば天井知らず

この記事ではかなりネガティブなことを書いてしまいましたが、お金を稼ぐことを考えず趣味にする分にはオススメです。
趣味の範囲で活動した結果、たまたま当たる可能性がゼロではないので宝くじを買う感覚ならOK


おまけ(筆者のボカロ曲)

アネガワ
アネガワ

動画編集まで頑張ったけど全然再生数上がらねえ!!!
みんな再生しまくって、印税で俺を食わしてくれ!

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